ハマスとイスラエルの間の合意は、イスラエル軍のガザからの一部撤退と人質交換が行われましたが、第2段階ではハマスをはじめとする抵抗勢力の武装解除という課題が立ちはだかっています。トランプ米大統領は、米国がイスラエルの戦争犯罪に加担したことを隠蔽し、平和主義者としてのイメージを宣伝しようとしている一方で、ハマスに対し、自発的に武装解除を行うよう求め、さもなくば米国が介入すると脅迫しました。
このトランプ氏の脅威に対して、パレスチナ・イスラム聖戦運動のムハンマド・アルヒンディ副事務局長は、抵抗勢力のグループは武装解除には同意していないと強調し、強制的な武装解除は受け入れられないと述べました。
武装解除については以前、ハマスのハゼム・カシム報道官なども否定しており、これらの発言から、パレスチナ抵抗勢力の武装解除は今後の停戦交渉において最大の山場となることは明らかです。しかし、なぜトランプ氏とイスラエルはハマスの武装解除にこだわるのでしょうか?
その理由は、イスラエルが2023年10月のガザ戦争開始当初から、ハマスを壊滅させることを主要な目的の一つとしていたからです。戦争開始から2年が経過し、甚大なジェノサイドが行われたにもかかわらず、この目的は達成されておらず、現在イスラエルは政治的交渉と米国の圧力を使ってこの目標を実現しようとしています。一方、ネタニヤフ首相は反対勢力に対抗するために成果を必要としており、米国の威を借りてハマスの武装解除を実現しようとしています。
もうひとつの理由は、イスラエルが、ハマスの武装解除がなければいずれ組織が再構築され、ガザ地区での軍事力を回復させることを懸念しているからです。米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」は、トランプ氏の第二段階の計画が、ハマスの武装解除やパレスチナ政府の未来など、多くの難題に直面するだろうと報じています。もしこれまでの経験を基準に判断するなら、ハマスはその政治的および軍事的立場を守るために必死に戦うだろうと予想されます。
おそらく、ハマスはこれまで通り新たな戦力を集め、受け取った武器や自作の武器で戦力を補強するでしょう。簡単に言えば、ハマスは第1段階の停戦に同意したものの、戦闘をやめるつもりはないということです。では、なぜハマスは停戦合意の中で武装解除を受け入れていないのでしょうか?
ハマスはガザの統治を担う政治運動であると同時に、イスラエルによる占領からのパレスチナ解放を目指す軍事組織でもあります。武装解除は、パレスチナの解放というハマスの目標を放棄することを意味します。なぜなら、イスラエルは今後も占領を続け、現在の領土に満足していないからです。また、ハマスの武装解除はガザの広範な支持者の失望を招き、パレスチナにおけるその立場を弱体化させることになります。
したがって、ハマスの武装解除は現実的には実現しないと考えられ、イスラエルはこれを停戦を破るための口実とし、新たな攻撃を開始する可能性が高いでしょう。
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